あぁ、もうしゅん………ごい!
人命やら道徳やら社会的に尊ばれる概念を忠実に体現している常守監視官…。かたや、システムに依らない人間の純粋な感情を至上としている槙島先生… 。
この構図……すげぇよ!
パッと見ただの刑事と犯罪者の問答に見えるかもしれないけど、中身は全然違う!私達が無意識に是と信じる社会的秩序 vs 人間という生物の純然たる個の意思。AIと人間の戦い…みたいにも見えますね。
何より常守監視官はAIじゃなくちゃんとした人間。でもその役割は限りなくAI(社会的秩序を円滑に進める装置)に近い。そこに抱える人としての感情から来る矛盾、更にはそれを求め作り続けてきた社会…。
これこそが『psycho-pass』という作品の真髄なんだろうな!psycho-pass始まってんな!!(7年前の作品です)
ドミネーターとショットガン構えるシーン……よく出来てますねぇ…。
最初は普通にドミネーター構えてたけど執行対象にならなかったから鉄クズになる。そして「自分を殺したいのなら使え」と言わんばかりに与えられたショットガン。
対話での説得は無理、殺されそうな友人を救うにはショットガン撃って助けるしかない!
…でも出来なかった。善良な常守監視官は人殺しにはなれなかった…。
それは何故か?
そう育てられて来たから、それが正しいと信じて生きてきたから……
だから常森監視官は一線を越えることが出来なかった。この件については彼女を責められないだろう。そこでトリガーを引ける人間なんて限られている。
…だが、ならば『ドミネーター』でなら撃てたのか?
もし槙島が執行対象なら撃てたのか?万人に絶対の価値基準を敷くシステムが許可を出していたら撃てたのか?
…ここで言いたいのは、どちらも"人殺しの銃"に変わりは無かったという事です。
システムが判断しているから…と無意識に、無感情に撃つ。だが、普通の銃を与えられれば撃てなくなる……おかしいのでは?
まぁ常守さんは普段からバンバンドミネーター撃ってないですけどね笑 ここはそうだな……常守がそこら辺にいる普通の人だと思って下さい。
普通の人なら間違いなく撃つでしょう。何の迷いも無く、撃って終わらせて定時退社だ〜😆 ぐらいでしょう。
だがそれは正しいことなのでしょうか…?いや、正しいこととは言えないだろう。
やってる事は人殺しと一緒。いくら大義名分を載せたって行動の意味に変わりはない。
それを不思議と思わずケロっと行えてしまうのがシビュラシステムの闇ですね…!
同時に、その社会で暮らしている人達は実の所システムの奴隷である。人間がシステムを支配しているのではなく、システムが人間を支配しているのだ。
そんな折に、自らの意思を、魂の輝きを見せてくれ!…という槙島先生。なんか槙島先生がヒーローポジションに見えてこない?
まぁバッチバチの外道ですけどねwww それでもまともに見えてしまう。…私がおかしいのか?それとも世界が狂っているのか?
…とまぁ、大変興味深い作品ですね。
ほんとなぜ昔の私はタイムリーで見なかったのか……大変悔やまれる😓